暗号資産の税金——国内取引の確定申告の基本

暗号資産の税金国内取引の確定申告の基本

海外FXの税金については以前の記事で触れましたが、暗号資産(仮想通貨)の税金は、FXともまた違う仕組みになっています。「利益が出たのはいいけれど、税金はどうなるの?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、国内の暗号資産取引にかかる税金の基本的な考え方を説明していきます。

暗号資産の利益は雑所得——総合課税の仕組み

2026年時点で、国内の個人が暗号資産取引で得た利益は「雑所得」に分類され、給与所得など他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」の対象になります。株式投資やFXの申告分離課税(一律約20%)とは異なり、所得が増えるほど税率が上がる累進課税が適用される点が大きな特徴です。

所得税は5%〜45%、住民税と合わせると最大で55%程度になることもあり、利益が大きくなるほど税負担も重くなる仕組みです。

確定申告が必要になるケース

会社員の場合、暗号資産を含む給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。専業主婦(夫)や学生などで他に所得がない場合は、所得の合計が48万円(基礎控除額)を超えると申告が必要です。

「利益が出た」というのは、暗号資産を売却して日本円に換えたときだけでなく、暗号資産同士を交換したときや、暗号資産で買い物をしたときにも発生する点に注意が必要です。保有しているだけで利益が確定していない間は課税対象にはなりません。

損益の計算方法——取得価額の考え方

暗号資産の損益は、「売却価額 − 取得価額(取得したときの価格)」で計算します。同じ銘柄を複数回にわたって購入している場合は、取得価額の平均を使う「移動平均法」か「総平均法」のいずれかで計算する必要があります。

取引所によっては年間取引報告書を発行してくれる場合もありますが、複数の取引所を利用している場合は自分で集計が必要になることもあるため、日頃から取引履歴を保存しておくことをおすすめします。

損失は繰り越せない、という注意点

株式投資やFXでは、その年の損失を翌年以降に繰り越して利益と相殺できる「繰越控除」という制度がありますが、2026年時点で暗号資産の雑所得にはこの制度が適用されません。ある年に大きな損失を出しても、翌年の利益と相殺することはできない点は、他の投資と大きく異なる注意点です。

よくある質問

含み益の状態でも申告が必要ですか?
必要ありません。暗号資産を売却したり、他の暗号資産と交換したりして利益が確定したときにはじめて課税対象になります。保有し続けているだけの含み益は申告不要です。

暗号資産同士の交換でも税金がかかるのを忘れがちです。
その通りで、多くの人が見落としがちなポイントです。日本円に換金していなくても、暗号資産Aを暗号資産Bに交換した時点で、Aの含み益が確定したものとして扱われます。

海外FXの税金と何が違いますか?
海外FXは雑所得の中でも「総合課税」、国内暗号資産も同じく「総合課税」で、この点は共通しています。一方、国内FXは「申告分離課税」で税率が一律という違いがあるので、混同しないよう注意してください。

暗号資産の税金は、株式やFXとは異なるルールが多く、特に「総合課税」「損失繰越不可」という2点は見落としがちです。取引を始める前に、大まかな仕組みだけでも把握しておくと安心です。

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