為替介入の実例——2022年から2026年までを振り返る

為替介入の実例2022年から2026年を振り返る

「為替介入」という言葉自体は、ニュースなどで見聞きしたことがある人が多いと思います。ただ、実際にいつ・どのくらいの規模で行われたのかを時系列で押さえている人は意外と少ないのではないでしょうか。介入がどこで何が起きたかを知っておくと、チャートに突然大きなヒゲが出た時にも「ああ、あれか」と落ち着いて受け止められるようになります。

この記事では、2022年から2026年にかけて実際に行われた円買い・ドル売り介入を、金額や背景とあわせて振り返ります。なお、為替介入そのものの仕組みや目的については為替介入とは——チャートが突然飛ぶ理由を知っておくで詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

2022年——24年ぶりに実施された円買い介入

2022年は、日米の金利差拡大を背景に急速な円安が進んだ年でした。政府・日銀は9月22日、1998年以来24年ぶりとなる円買い・ドル売り介入に踏み切り、金額は2兆8382億円でした。

その後も円安の勢いは止まらず、10月21日には1ドル=151円台まで売られたところで再び介入が実施されました。この日の介入額は5兆6202億円にのぼり、1日あたりの円買い介入としては過去最大規模となりました。さらに10月24日にも7296億円の介入が確認されており、2022年の3営業日の合計は約9兆1880億円に達しています。

10月21日の介入は、財務省が実施を即座に認めなかったことから「覆面介入(ステルス介入)」とも呼ばれ、市場では憶測が飛び交いました。

2024年7月——2年ぶりに再燃した円安への対応

2023年はいったん大きな介入が見送られましたが、2024年に入ってからも円安傾向は続き、7月11日に3兆1678億円、7月12日に2兆3670億円の円買い介入が実施されたとみられています。財務省が公表した6月27日〜7月29日の期間全体の介入実績は、合計5兆5348億円でした。

よくある質問——なぜ介入するタイミングはいつも「発表」されないのか

財務省は介入の実施タイミングを事前に予告しません。効果を最大化するには「不意打ち」であることが重要だからです。実施した後、月末の実績公表や国会答弁などを通じて事後的に金額が明らかになるのが通例です。

2026年——過去最大規模の介入と、15年ぶりの日米協調介入

2026年4月30日夜、政府・日銀は欧米市場で再び円買い・ドル売り介入を実施しました。2024年7月以来、約1年8か月ぶりの介入で、円相場は一時1ドル=155円台半ばまで急騰しました。財務省が公表した4月28日〜5月27日の介入実績は合計11兆7349億円にのぼり、これは単月の介入額としては過去最大規模です。

円安の勢いはその後も収まらず、7月30日にはニューヨーク市場で政府・日銀が円買い・ドル売り介入に動き、一時1ドル=157円80銭を付けました。そして翌7月31日、日本と米国の両政府は円買いの協調為替介入に踏み切りました。日米が協調して為替介入を行うのは2011年の東日本大震災後以来、実に15年ぶりのことでした。

※協調介入とは、複数の国の通貨当局が足並みをそろえて同じ方向に介入することです。1国だけの単独介入より市場への影響力が大きいとされる一方、実施のハードルも高く、めったに行われません。

介入の効果をどう見ればいいか

介入の直後は、チャートに大きな縦のヒゲが出るほど値が急変することがほとんどです。ただし、日米の金利差など介入の背景にある構造的な要因が変わらない限り、時間の経過とともに再び同じ方向へ値が戻っていく傾向も、これまで繰り返し見られてきました。

また、外国為替資金特別会計(外為特会)が保有する、すぐに円買い介入に使えるドル資産(外貨預金)には限りがあります。2026年5月末時点の残高は1,622億ドルとされており、無制限に介入を続けられるわけではない点も、あわせて押さえておきたいポイントです。

まとめ

円買い介入は、2022年・2024年・2026年といずれも「急速な円安」を背景に実施されてきました。頻度や規模は年によって異なりますが、共通しているのは「事前予告なし」「発表後に事後検証される」という点です。日々のチャートで説明のつかない大きな値動きを見かけたら、こうした介入の可能性も選択肢の一つとして考えてみるとよいでしょう。

よくある質問

介入が入ると、その後の値動きはどうなりますか?

介入直後は反対方向に急騰・急落しますが、その後は元のトレンドに戻ることも多く、効果の持続性はケースによって差があります。過去の事例でも、数週間〜数か月かけて介入前の水準に近づいていった例が見られます。

介入は誰が決めているのですか?

為替介入の実施を判断するのは財務省で、実務(市場での売買)を担うのは日本銀行です。ニュースでは「政府・日銀が介入」とまとめて表現されることが多いのはこのためです。

個人トレーダーは介入にどう備えればいいですか?

介入が起きやすいとされる水準(過去に介入が入った価格帯や、要人が「行き過ぎた動き」に言及したタイミングなど)の近くでは、通常よりポジションサイズを抑える、指値・逆指値を離れた位置に置きすぎないなど、値が飛ぶことを前提としたリスク管理が有効です。

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